LIBRARY
院長の知恵袋

TOP / 院長の知恵袋 / 子どもの「インフルエンザ(A型・B型)」について

子どもの「インフルエンザ(A型・B型)」について

黒沢院長のまとめ

  • 突然の高熱と全身症状が特徴です: 普通のかぜとは違い、急激なお熱と共に関節痛、筋肉痛、強いだるさが現れます。
  • 抗ウイルス薬は「熱の期間」を短くします: 早く使うことでウイルスが増えるのを抑えますが、咳や鼻水に対する治療効果はありません。
  • 異常行動にご注意を: お熱が出始めてから2日間は、突然走り出すなどの異常行動が起きやすいため、お子様から目を離さないでください。
  • 厳密な「お休みルール」があります: 法律で「発症後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)」の出席停止が定められています。

1. インフルエンザってどんな病気?

インフルエンザウイルスに感染することで起こる病気です。飛沫感染(咳やくしゃみ)と接触感染で非常に強くうつります。お子様がかかるインフルエンザには、主にA型とB型があります。

  • インフルエンザA型: 冬の初めから大流行を起こしやすい型です。突然の39度以上の高熱から始まり、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身の強い症状がドカンと出るのが特徴です。
  • インフルエンザB型: A型の流行が少し落ち着いた冬の後半から春先にかけて増えることが多い型です。A型と同じように高熱が出ますが、それに加えて腹痛、吐き気、下痢などのお腹の症状が出やすい傾向があります。また、A型よりも熱がダラダラと長引きやすいことがあります。

※一度A型にかかっても、ウイルスの種類が違うため同じシーズンにB型にかかることは十分にあり得ます。

2. 治療とお薬について

インフルエンザには、ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」があります。ただし、発症(熱の出始め)から48時間以内に使用しないと、十分な効果が得られません。また、抗ウイルス薬には発熱している期間を1〜2日程度短縮する効果がある一方で、咳や鼻水といった症状を治す効果は認められていません。

お子様の年齢や吸入ができるかどうかで、以下のお薬を使い分けます。

  • タミフル(飲み薬):1日2回、5日間飲み続ける、小児における基本のお薬です。
  • イナビル(吸入薬):1回の吸入で治療が完了します(確実に吸い込める年長児以上で処方します)。
  • ゾフルーザ(1回で済む飲み薬):1回の内服で済む便利な薬ですが、日本小児科学会の最新のインフルエンザ治療指針では、以下のように年齢とウイルスの型によって推奨度が細かく分かれています。

12歳以上:A型・B型ともに推奨されます。

6歳〜11歳:B型に対しては有効性が高いため使用が提案されていますが、A型に対しては耐性ウイルス(薬が効かなくなるウイルス)が出現しやすいことから「慎重に投与する」とされています。

6歳未満:耐性ウイルスの問題や、有効性・安全性のデータが十分でないことから、原則として投与は推奨されていません。

当院でもこのガイドラインを遵守し、お子様の年齢と検査結果(A型かB型か)を踏まえ、一番安全で確実なお薬をご提案いたします。

【咳や鼻水のお薬(かぜ薬)について】 咳や鼻水といった症状に対して、ご希望に応じていわゆる「かぜ薬(去痰薬など)」を一緒に処方することもあります。しかし、これらのお薬はインフルエンザの咳・鼻水に対して高い効果があるわけではなく、あくまで少し楽にするための補助的なものです。抗ウイルス薬で熱が下がった後も咳や鼻水が数日間残ることがありますが、ご自身の免疫力で自然に消失していくのを待つのが基本となります。

【解熱剤について】インフルエンザの際に安全に使える解熱剤はアセトアミノフェン(カロナール、アンヒバ座薬など)のみです。アスピリン(バファリン)等の解熱鎮痛薬の使用は、脳の病気(ライ症候群)を起こす可能性があり、危険です。自己判断での市販薬の使用は絶対に避け、当院で処方したお薬を使用してください。

3. 異常行動に注意

インフルエンザにかかると、「突然立ち上がって部屋を走り回る」「窓を開けて飛び出そうとする」「意味不明なことを言う」といった異常行動が起こることがあります。 これは、抗ウイルス薬(タミフルなど)を飲んでいる・いないに関わらず起こることが分かっています。

転落などの重大な事故を防ぐため、発熱から少なくとも2日間は、以下の対策をお願いします。

  • お子様を一人きりにしない。
  • 窓の鍵や、玄関のチェーンを確実に閉める。
  • できれば1階の部屋で寝かせる。

4. 登園・登校のルール

インフルエンザは学校保健安全法により、厳密な出席停止期間が定められています。以下の両方の条件をクリアするまで登園・登校はできません。

  • 発症した後、5日を経過していること(※熱が出た日を「0日目」として数えます)
  • 解熱した後、2日を経過していること(※熱が下がった日を「0日目」として数えます。保育園や幼稚園などの幼児は「解熱した後3日」です)

つまり、どんなに早く熱が下がって元気になっても、発症から最低5日間(6日目の朝まで)はお休みする必要があります。

登園登校再開日チェッカー

5. すぐに救急外来を受診するべきサイン

インフルエンザは、まれに脳炎・脳症や重い肺炎を引き起こすことがあります。以下の症状が見られたら、昼夜を問わず直ちに救急外来を受診してください。

  • けいれんしている、呼びかけても視線が合わない、意識がぼんやりしている。
  • 意味不明な言動が続く、幻覚が見えている。
  • 呼吸が非常に速く苦しそう、顔色が悪い。

インフルエンザ 登園・登校再開日チェッカー

ご予約はネット予約で承っております。

電話でのご予約・お問い合わせはこちら(044-587-5015