黒沢院長のまとめ
- かぜの正体はウイルス: 子ども自身の力で治すのが基本で、完治まで1〜2週間かかることも珍しくありません。
- お薬の役割: 鼻水や痰を出しやすくして、呼吸を楽にするサポートをします。
- 「せきどめ」や「テープ」の注意点: アスベリンやメジコンなどのせきどめ薬、また喘息の薬(テープや飲み薬)は、一般的なかぜの咳には効果がないことが分かっています。
- 大切にしたいこと: お家での水分補給と加湿、そして何よりお子様をゆっくり休ませてあげることです。
1. かぜってどんな病気?
「かぜ」の原因のほとんどはウイルスです。実は、ウイルスを直接やっつける特効薬というものは存在しません。お子様自身の「治そうとする力」が一番の治療薬です。
大人の風邪は数日で治るイメージがありますが、お子様の場合は症状が落ち着くまで1〜2週間ほどかかるのが普通です。鼻水や咳が長引くと心配になりますが、体が一生懸命ウイルスと戦っている証拠ですので、焦らず見守ってあげましょうね。
2. 当院で処方するお薬について
少しでも呼吸を楽にして、お子様が過ごしやすくなるよう、当院では主に以下の「鼻水や痰を出しやすくするお薬」をセットで処方しています。
- カルボシステイン(ムコダインなど):粘膜を整えて、鼻水や痰の粘り気を抑えます。
- アンブロキソール(ムコソルバンなど):痰や鼻水をサラサラにして、外に出しやすくします。
これらはお子様でも安心してお使いいただける、当院の「基本のセット」です。
3. せきどめ薬・テープ剤との付き合い方
コンコンと苦しそうな咳が続くと、代わってあげたいくらい辛い気持ちになりますよね。ですが、子どものかぜの咳を効果的に止めてくれる薬はない、と言わなければならないのが実情です。実際、「せきどめ」に関しては、以下のことが研究で分かっています。
- 一般的なせきどめ薬(アスベリン、メジコンなど): これらのお薬を飲んだ子と飲まなかった子を比べた厳密な調査(ランダム化比較試験)でも、咳を減らす効果ははっきりとは認められていません。
- 喘息の薬(ツロブテロールテープ、モンテルカストなど): これらは喘息のための薬であり、「ただのかぜ」による咳には効果がありません。
咳は肺に入ろうとするウイルスや痰を外へ追い出そうとする、体の大切な防御反応でもあります。まずは加湿をしたり、1歳を過ぎていれば「ハチミツ」を舐めてみたりするのも良い方法です。それでも「夜も眠れない」「咳き込んで吐いてしまう」という時は、お子様が安全に過ごせる方法を一緒に相談していきましょう。
4. 抗菌薬(抗生物質)と鼻水どめについて
お子様の安全と将来の健康を第一に考え、当院では以下の薬は原則としてお出ししていません。
- 抗菌薬(抗生物質):ウイルスには効果がありません。不必要に使うと、お腹を壊したり、いざという時に薬が効かない「耐性菌」を増やしたりする原因になります。
- 抗ヒスタミン薬(レボセチリジン、オロパタジンなど): いわゆる「鼻水どめ」ですが、最近の研究ではかぜの鼻水にはあまり効果がないことが分かってきました。逆に、眠気が強く出たり、熱性けいれんを誘発しやすくなったり、痰が粘って出しにくくなるというリスクの方が大きいため、おすすめしていません。
5. お家での過ごし方と、もう一度受診する目安
一番の治療は、水分をしっかり取ってゆっくり休むことです。お家では、お子様の様子を優しく見守ってあげてください。
ただ、以下のようなときは早めに教えてくださいね。
- 4日以上、お熱が下がらない
- 水分が全く取れず、おしっこが少ない
- 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、胸がペコペコ凹む)
- なんだか元気がない、ぐったりしている




