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子どもの「アデノウイルス感染症」について

黒沢院長のまとめ

  • いくつもの「顔」を持つウイルスです: アデノウイルスには50以上の種類があり、のど、目、腸など、感染する型によって現れる症状(病型)が全く異なります。
  • 高熱が長く続くのが特徴です: 種類によっては、39度以上の高熱が4〜5日、長いと1週間近く続くことも珍しくありません。
  • 病型によって「お休みルール」が違います: 法律で厳密に出席停止が決められている型と、そうでない型があります。
  • 特効薬はありません: 抗生剤は効きません。ご自身の免疫力でウイルスを追い出すのを待つのが基本です。
  • アルコール消毒が効きにくいです: 感染対策の基本は、石鹸と流水によるしっかりとした手洗いです。

1. アデノウイルスってどんな病気?

アデノウイルスは、季節を問わず一年中活動している非常に感染力の強いウイルスです。 最大の特徴は、ウイルスの「型」がたくさんあることと、感染した場所によって全く違う病気を引き起こすことです。また、非常にタフなウイルスであり、一般的なアルコール消毒剤では完全に死滅しないため、タオルの共有などからご家族内で感染が広がりやすい点に注意が必要です。

2. 症状の「型」と、それぞれの登園・登校ルール

アデノウイルスが引き起こす代表的な4つの病型と、それぞれの出席停止基準は以下の通りです。

① 咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ/通称:プール熱)

  • 症状: 突然の高熱、のどの強い痛み、そして結膜炎(目の充血、目やに)の3つの症状が同時に出ます。
  • 登園・登校の目安: 【法律による出席停止あり】 主要症状(発熱、のどの痛み、結膜炎)が消退した後、2日を経過するまではお休みしなければなりません。医師の許可証(登園登校許可証)が必要です。

② 流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん/通称:はやり目)

  • 症状: のどの痛みや熱はなく、目だけに強い症状が出ます。白目が真っ赤に充血し、まぶたが腫れ、大量の目やにが出ます。アデノウイルスを眼から検出するのに適した検査キットがないため、原則として検査はおこなわず、症状と流行状況から診断します。
  • 登園・登校の目安: 【法律による出席停止あり】 本人は熱もなく元気なことが多いため登園登校させたくなりますが、非常に感染力が強いため、結膜炎症状が消失し、医師により感染の恐れがないと認められるまではお休みです。

③ アデノウイルス咽頭炎(いんとうえん)

  • 症状: 目には症状が出ず、39度以上の高熱と、のどの強い痛み(扁桃腺に白い膿がつくこともあります)が数日続きます。溶連菌と症状が似ていますが、アデノウイルスなので抗生剤は効きません。
  • 登園・登校の目安: 【厳密な出席停止期間はなし】 目の症状がない単なる咽頭炎の場合は、プール熱には該当しません。そのため法律による一律の制限はなく、熱が下がり、普段通りの食事が取れるようになって元気があれば登園・登校が可能です。(※ただし、園や学校によってはアデノウイルス=一律でお休みとする独自のルールを設けている場合があるため、施設の指示に従ってください)

④ アデノウイルス腸炎(ちょうえん)

  • 症状: 腸に感染する型(主に40型・41型)で、嘔吐や下痢、発熱を引き起こします。他のウイルス性胃腸炎(ノロやロタ)と比べて、下痢が長引きやすい(1週間以上続くこともある)のが特徴です。
  • 登園・登校の目安: 【厳密な出席停止期間はなし】 一般的な胃腸炎と同じ扱いです。嘔吐や下痢が治まり、普段通りの食事が取れるようになって元気があれば登園・登校が可能です。

3. 治療とお薬について

アデノウイルスには、インフルエンザのような特効薬(抗ウイルス薬)はありません。また、細菌ではないため抗生剤(抗菌薬)も全く効果がありません。

基本的には、自分の免疫力でウイルスを退治するのを待つ「対症療法」になります。

  • 解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど): 高熱で辛い時や、のどが痛くて水分が取れない時に使用します。
  • 点眼薬(目薬): 結膜炎の症状がある場合は、炎症を抑える目薬や、細菌の二次感染を防ぐための目薬を処方します。

「熱が何日も下がらない」とご不安になる保護者の方も多いですが、アデノウイルスは4〜5日高熱が続くのがごく当たり前のウイルスです。水分が取れていて夜眠れていれば、焦らずに経過を見守って大丈夫です。

4. お家で気をつけること(感染対策)

アデノウイルスにはアルコール消毒が効きにくいため、以下の対策を徹底してください。

  • 手洗いは「石鹸と流水」で: アルコールスプレーだけに頼らず、石鹸でしっかりこすり洗いをして、流水でウイルスを洗い流すことが最も効果的です。
  • タオルの共有は絶対に避ける: 特に目の症状がある場合、ウイルスは涙や目やにから簡単にうつります。手拭きタオルは家族で分け、できればペーパータオルの使用をおすすめします。
  • お風呂は一番最後に: 症状があるお子様は、湯船を最後にするか、シャワーのみで済ませるようにしてください。

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