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子どもの「頭痛(一次性頭痛)」について

黒沢院長のまとめ

  • 子どもでも大人と同じように「頭痛」が起こります: 「子どものくせに頭痛なんて」は誤解です。小児期にも片頭痛や緊張型頭痛といった「一次性頭痛(病気が隠れていない頭痛)」は頻繁に見られます。
  • 小児の片頭痛は「睡眠」をとることで痛みが落ち着く傾向があります: 痛む時間は大人より短い傾向がありますが、強い吐き気を伴うなど症状は深刻です。暗く静かな部屋で眠ることが回復への重要なステップになります。
  • スマホやゲーム、ストレスによる「緊張型頭痛」も増えています: 長時間の同じ姿勢や、学校生活での緊張・ストレスなどが引き金になり、頭全体が締め付けられるように痛みます。
  • お薬は「痛くなり始めに、早めに飲む」のが鉄則です: 我慢させて痛みがピークに達してからでは、お薬(鎮痛薬)が十分に効きません。
  • 「いつもと違う、どんどんひどくなる頭痛」には要注意です: 朝起きた時が一番痛い、痛さで夜中に目が覚めるなどの症状は、脳の病気が隠れているサイン(アラームサイン)の可能性があります。

1. 頭痛の2つの種類(一次性と二次性)

頭痛には大きく分けて、頭痛そのものが病気である「一次性頭痛」と、脳腫瘍など別の病気が原因で起こる「二次性頭痛」の2種類があります。

日常的に起こる頭痛の大部分は、一次性頭痛である「片頭痛」と「緊張型頭痛」です。お子様が頭痛を訴えた際、「脳に何か悪い病気があるのでは」と心配される親御さんは多いですが、しっかり問診と診察を行い、アラームサイン(後述します)がなければ、過度に恐れる必要はありません。

2. 子どもに多い「片頭痛」の特徴

大人の片頭痛は「頭の片側がズキズキ痛む」のが特徴ですが、お子様(特に小さなお子様)の片頭痛には以下のような特有のパターンがあります。

  • 両側が痛むことが多い: おでこや、頭の両側全体を痛がることがよくあります。
  • 痛む時間が短い傾向がある: 大人が数日痛みを引きずるのに対し、お子様は数時間(短ければ1〜2時間)で痛みが落ち着くケースが多く見られます。
  • お腹の症状(吐き気・嘔吐)が強い: 頭痛そのものよりも、激しい気持ち悪さや嘔吐が前面に出ることがあります。また、車酔いしやすいお子様は片頭痛持ちになりやすい傾向があります。
  • 光や音に過敏になる: 痛みが強い時は「明るい部屋」や「テレビの音」などの刺激を嫌がり、暗く静かな場所に行きたがります。
  • 睡眠による症状の緩和: 強い痛みで辛い状態でも、暗く静かな環境でしっかりと睡眠をとることで、目覚めた時には痛みがリセット(緩和)されやすいという特徴があります。痛みが強い時は無理をさせず、静かに休ませてあげることが大切です。

3. 姿勢やストレスからくる「緊張型頭痛」

片頭痛が「ズキズキする強い痛み」であるのに対し、緊張型頭痛は「頭全体がギューッと締め付けられるような、重だるい痛み」です。

首や肩の筋肉が緊張して血流が悪くなることが原因で起こります。近年は、長時間のスマートフォンやゲーム、タブレット学習による姿勢の悪さ(ストレートネックなど)が大きな原因となっています。また、新学期やテスト前など、学校生活での精神的なストレス(不安や緊張)も筋肉を硬くし、頭痛を引き起こす要因となります。

4. 絶対に見逃してはいけない「アラームサイン」

一次性頭痛であれば急を要することはありませんが、以下のような症状(アラームサイン)が見られる場合は、二次性頭痛(脳の病気など)を疑い、早急に詳しい検査(MRIなど)を行う必要があります。

  • 朝起きた時が一番痛い(早朝頭痛)、または頭痛で夜中に目が覚める。
  • 今まで経験したことのないような、突然の激しい頭痛。
  • 日に日に痛みが強くなっていく、頻度が増していく。
  • 吐き気もないのに、突然「噴水のように」勢いよく吐く。
  • 手足に力が入らない、歩き方がおかしい、物が二重に見える、言葉がうまく出ないなどの神経症状を伴う。

これらの症状が一つでも当てはまる場合は、様子を見ずにすぐにご受診ください。

5. 治療とご家庭でのサポート(お薬の正しい使い方)

一次性頭痛と診断された場合、基本的には「アセトアミノフェン(カロナール)」や「イブプロフェン(ブルフェン)」といった鎮痛薬(痛み止め)を使用して治療します。

ここで親御さんに必ずお願いしている絶対ルールがあります。それは、「痛くなったら、我慢させずに早めにお薬を飲ませる」ということです。 「癖になるから」「薬に頼りたくないから」とギリギリまで我慢させてしまう方がいますが、痛みがピークに達して脳が過敏になってからでは、鎮痛薬はほとんど効かなくなります。「頭痛が来そうだな、痛くなり始めたな」というタイミングでサッと飲ませて、痛みをしっかりブロックすることが、最も効果的で正しいお薬の使い方です。

また、頻繁に頭痛を訴える場合は、「いつ、どんな時に、どのくらい痛がったか、お薬を飲んでどうなったか」をメモ(頭痛ダイアリー)しておいていただけると、片頭痛か緊張型頭痛かの見極めや、お薬の調整に非常に役立ちます。

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